日本の新会社法について アメリカで会社設立@米国法人設立マニュアル

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会社設立までの流れについて

商号、本店、事業目的を決める

最初に決めるのは、商号(会社名)、会社の本店(住所)、そして事業目的(仕事の内容)です。

商号、所在地の調査

会社法の施行によって、法務局による類似商号調査は省略されましたが、事前に同じ本店所在地、商号がないか、自らの手で確認しておく作業はやはり必要です。万が一、同一所在地や同一商号が見つかった場合には損害賠償等のトラブルにも発展しかねませんので、調査・確認は怠らないようにしましょう。

印鑑の作成、印鑑証明の取得

会社設立に欠かせない社印。完成まで時間を要しますので、早めに作成しましょう。また、今後の手続きに必要な印鑑証明の取得もお忘れなく。

定款の作成および認証

会社の基本規則である、定款を作成します。
定款は公証人の認証を受けなければ、法的に有効とはなりません(会社法30条)。

株式(出資金)の払い込み

株式会社設立を企画する代表者個人の口座に、株式(出資金)を振り込みます。

必要書類の作成

設立登記の申請書や取締役会の議事録、定款、印鑑証明など、
申請に必要な書類をひと通り用意します。

簡単!オンラインでの登記申請

インターネットを使って、オンラインで便利に登記申請ができるシステム(商業法人登記のオンライン登記申請)があります。

登記所の窓口に出向く必要がないのはもちろん、画面入力による書類作成なので手間が大きく省けるなど、数々の利点がある便利なシステムです。また証明書発行の際もオンラインで請求すれば、窓口・郵送による請求よりも手数料が安くなります。

オンライン登記申請を利用するには、システムのインストールや電子証明書の取得、ユーザー登録といった手続きが必要となります。
利用時間は平日(年末年始を除く)の8:30〜20:00です。

なお一部では、オンライン申請ができない法務局もあります。
詳しくは各法務局のホームページ等でご確認下さい。

合同会社の設立するには!

合同会社の設立会社法の施行以降、有限会社がなくなり、株式会社としての設立が簡単かつ一般的となったことで、「新規設立の形態は株式会社で」という、起業における1つのパターンが出来上がったように見えます。

しかしその一方、利便性やメリットの多さが注目されている「合同会社」が国内で新たに認められ、特に小規模経営から会社をスタートさせる起業家やベンチャー系の新規設立においては、株式会社に加えてのもう1つの選択肢として考慮する価値を持った形態がこれから増えていく可能性も考えられています。


新しく設けられた合同会社は、パートナーシップの観点から企業経営の概念が構築され、2000年以降、アメリカから欧州各国へと手法が伝播していったLLC(Limited Liability Company/リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)をモデルに作られたことから「日本版LLC」という別称で呼ばれています。
LLP(有限責任事業組合)と違って法人格となりますので、業務に対する報酬(給料)の受け取りも可能です。

合同会社の主な特徴
会社の区分
持分会社(合名会社、合資会社と同じ枠組みになります。株式を発行しない会社となりますので、出資者の権利は「持分」と呼ばれます

出資者
 1名以上(株式会社と同じです)

社員の責任範囲
 有限責任(株式会社と同じ。出資金額内の責任となります)。

役員の最低必要人数
 なし (取締役、監査役、取締役会のいずれも設置不要)

  社員1人でも設立可能なのは株式会社と同じですが、合同会社については
  取締役も含めて役員を置く必要がありません。よって取締役会も開かなくて
  いい
ことになります。

最高意思決定機関
 社員全員の同意

  合同会社は株主総会を開く必要がありませんので、
  出資者である社員間の決定が、社内における最高の意思決定となります。

社員(株主)に対する権利
 原則的に自由(会社の定款に基づいて行われる)

  株式会社の場合、原則的に全ての株主は平等であるとされていますが、
  合同会社については社員の出資比率に関係なく、利益や権限の配分が
  自由に行えます


設立手続き

※定款の作成および認証
 株式会社は3通必要ですが、合同会社は2通で構いません。
 
 また合同会社は、公証役場で認証を受ける必要がありません
 よって認証に関する手続き、および手数料の支払いが不要となります。

※取締役、監査役に関する決定、調査、各書類の作成
 合同会社には株式、そして役員規定がありませんので、

 「発起人会の開催および議事録の作成、提出」
 「設立時発行株式に関する発起人同意書の提出」
 「設立時における取締役、代表取締役、監査役の就任承諾書の提出」

 などについては不要となります。

設立費用

※「登録免許税」の最低額

  株式会社……  15万円
  合同会社…… 6万円
  (どちらも、資本金の1000/7が上回る場合はその金額)

※定款の作成、認証にかかる費用

  株式会社……定款貼付印紙代       4万円
             定款認証における手数料  5万円
             定款謄本の交付手数料  250円/1枚

  合同会社……定款貼付印紙代    4万円

   合同会社の定款については、公証役場での認証を必要としませんので
   2通作成した定款の内、1通に4万円分の印紙を貼り付けるのみです。


その他

 合同会社の場合、出資者は「社員」と呼びます(株式会社は「株主」)。
 合同会社は全ての出資者が業務執行権限を有します。
 合同会社は株式会社のような「決算公告」を行う必要がありません。


以上の通り、合同会社は、出資者責任の面では株式会社の長所、そして手続きの簡便さや会社としての自由度という面では合名会社と合資会社の長所をそれぞれ取り入れた形態といえます。

日本における合同会社の認知度が低いというネックが、会社としての信用度にどう影響するのかという懸念はありますが、個人事業主が法人設立を考える上において、株式会社までの枠組みは要らないと思っている人にとっては最適な設立手段であるといえます。

株式会社と合同会社、どちらの形態が適しているかは会社の規模や事業内容、将来的な計画など多項目から判断すべきこととなりますが、合同会社からスタートして、ある程度経営が波に乗ったところで株式会社に変更するという手段もあります
1人あるいは少人数からの出発であれば、最初はなるべくリスクの小さい選択を心掛けることも得策といえますので、しっかり考えましょう

最近では、合同会社としての設立支援や、合名会社および合資会社からの変更手続きサポート、さらには合同会社から株式会社へ変更する際の手続きサポートについてもサービスに盛り込む税理士事務所が増えているようです。
顧問税理士
と契約する際にも、こうしたサポートの幅や専門性については検討材料に入れておくことをお奨めします。

新会社法での会社の種類とは!

会社法の施行によって、有限会社が株式会社の一種として扱われるようになったことから、現在法人と呼ばれるものについては、

株式会社
合名会社
合資会社
合同会社


の4種類となります。

それぞれにしくみの違いはありますが、最も重要なのは、
出資者の責任が有限責任なのか、無限責任なのかという点。



株式会社
自社の株式を発行して出資を募る形態の会社。出資者はもちろん、株式を購入する株主です。
債務に対する出資者の責任範囲は「出資金額内の有限責任」、つまり出資額を超えて負担する必要のない立場となります。
株式会社においては、出資者を株主、会社の設立手続きを行った株主を発起人、会社経営を行う人を取締役、会社の代表を代表取締役と呼びます。

株式会社には、

非公開会社
公開会社


の2種類があります。
非公開会社の場合は通常、発行する全ての株式に譲渡制限が付くため、一般の株主は購入ができません(一部例外あり)。よって証券市場へ上場するためには、公開会社となる必要があります。
どちらの場合も最高意思決定機関である株主総会を開く必要はありますが、公開会社については社内に取締役会や監査役を置くなどの義務が発生します。

中小の株式会社については、その大多数が非公開会社です。
公開会社への転換は上場を意味することになります。
会社の組織や規模がそれなりに大きく、またしっかりしたものでなければ難しいのです。

多くの場合、「信頼関係を持った少数の出資者によって成り立っている」というのが設立直後の環境といえるでしょう。
なるべく低リスクで会社を設立するなら、「株式非公開・取締役1名・取締役会なし・監査役なし」という形態で起業するのが適当といえます。


合名会社
無限責任社員のみが出資して成り立つ会社です。
少人数でかつ極めて信頼関係の強い人達によって設立される形態で、現在では家族経営の会社など、その数はごくわずかに限られています。
手続きが簡素で取締役の設置も不要という特長はありますが、有限責任と違って無限責任の場合は、債務の支払額に制限がつかないので、万が一の時は私財を充ててでも完済しなければなりません
よって一般的には、リスクの大きい形態といえるでしょう。


合資会社
合名会社が「無限責任社員のみ」なのに対して、合資会社は無限責任社員有限責任社員の両方が属する会社となります。
主に酒造会社などにおいて、多く見られる形態です。
合名会社と同様に手続きが簡単なことから、会社法ができるまでは合資会社として起業を目指す人が増えた時期もありましたが、現在、一般的な需要はほとんど見られません。


合同会社
会社法によって新しく設けられた形態で、アメリカにおいてベンチャー企業の受け皿的な組織体として活用されているLLC(Limited Liability Company)をモデルに作られたことから「日本版LLC」という別称で呼ばれています。
株式会社と同じく社員1人でも設立が可能です。



合名会社や合資会社の存在はごく一部の業界や業態に限られるため、新規での設立ケースはきわめて稀となりました。もともとの数についても少ないことから、国内の企業(法人)は、株式会社と特例有限会社でほぼ占められている現状となっています。

新しい企業概念として国内での設立が認められた合同会社が、従来の有限会社に代わって普及するかどうかに注目が集まっています。

会社を設立するか、個人事業主のまま?どちらがお得?

それぞれにメリット・デメリットがあります。
特徴も大きく違います。
本人の起業意欲や長期的視野といった観点からみれば、社会的信用や税負担の優遇などを考えても会社の設立を選ぶのもいいでしょう。
しかし一部業態においては個人事業主が適するケースももちろんあります。

  個人事業主 会社(法人)
設立までの手続き
設立後の管理業務
簡単・低コスト
(事業の変更も容易に行える)
煩雑・コストもかかる
(申請に多くの書類を要する)
社会的信用 低い
資金調達が難しくなる)
比較的高い
資金調達・人材募集がしやすい)
保険・年金 国民健康保険・国民年金
(負担大)
社会保険など・厚生年金
(負担小)
社員責任 無限責任
(全債務を1人で負うリスク)
有限責任
(株式会社、合同会社の場合)
税金負担 全般に優遇は少ない軽減されやすい
業務スタイル・志向 社外依存が小さい
1人でも行える仕事 
経営意識が高い。
事業拡大を視野に入れている。

新会社法のあらまし(新会社法と旧会社法の変更点とは!)

新「会社法」の施行!起業しやすさでチャンス!

日本に新たな「会社法」が施行されています。(2006年5月)
それまで商法をはじめ、会社形態ごとに分散していた法律が一本化されただけでなく、起業の促進を図る目的で、会社設立における各種規制も大幅に緩和されました。

それまで最低1000万円以上必要だった資本金の制度が撤廃
取締役の必要人数が1人以上、つまりたった1人でも株式会社が作れるようになった

など、事前に資金や人員を用意する手間が省けたことで、新規設立におけるハードルは相当低くなったとされています。


新会社法の旧会社法からの主な変更点とは!

最低資本金制度(株式会社:1000万円以上、有限会社:300万円以上)の撤廃!
法律の本質は「制度の撤廃」なのですが、現状では「最低資本金が1円以上に変更された」という解釈が一般的となっています。
『1円起業』という言葉が生まれるきっかけにもなった変更点です。
これは、起業する上で大きなメリットとなります。


「類似商号調査」の省略
かつては同じ市区町村内において、同じ営業目的を持つ企業と同じあるいは類似の商号は登記できないという規制がありました。
このため、設立手続きの際には法務局において、同一・類似称号の有無を調べる「類似商号調査」が行われていました。
相当な時間を要する調査であったため、設立の手続きを長引かせる原因ともなっていました。
今回、「類似商号調査」が省略されることで、手続きが簡略化されるメリットは生じますが、

他社と同じ、あるいはよく似た商号を用いること自体、訴訟などのトラブルに発展する原因になりますので、手続きを行う側の任意による調査は必須
といえるでしょう。


「金融機関による払込金保管証明書」が不要(一部を除く)
代表者が作成する払込証明書と、当該の預金通帳(コピー)があれば良いことになりました。


株式会社の設立に必要な役員の人数が、「取締役3名以上、監査役1名以上」から「取締役1名以上」に改定
これにより、経営者自身が取締役となって、社員1人の株式会社を設立することも可能となります。


株式会社と有限会社を統合し、1つの会社類型(株式会社)とする
上記の各種規制緩和に伴い、株式会社における最低限の設立条件が、従来の有限会社並みに引き下げられたことによる措置です。これにより法制定以降、有限会社の新規設立ができなくなりました

既存の有限会社はどうなる?
法律上は株式会社でありながら、引き続き有限会社の商号を名乗ることができる「特例有限会社」へと自動的に移行されます。
通常の株式会社への移行も可能ですが、この場合は「特例有限会社の解散→株式会社への移行登記」という手続き上の段取りが必要となります。


合同会社(日本版LLC)を、新たな組織形態として制定
設立しやすくなった株式会社よりもさらに手続き上の手間、および経済的な負担が少なく済む形態として、有限会社に代わる形での普及が注目されています。

「多議決権株」の導入 経産省の企業価値研究会が提言

経済産業省の企業価値研究会は、1株に複数の議決権が付いた「多議決権株」など種類株を上場会社が発行するのを認めるよう、東京証券取引所に求める提言をまとめました。

創業者や従業員らが保有して安定株主になることで、長期的視点に立った企業経営を可能にするのが狙いです。

種類株とは!
種類株は会社法で、株主総会の特別決議を経ることで発行が認められています。
しかし東証の上場規則に阻まれ、事実上、これまでは発行できませんでした。
東証はこの提言を受け、来年3月にも上場規則を変更する見通しとなりそうです。

提言では「多議決権株」と「議決権のない株」の2種類の解禁を求めました。
一定期間ごとに、こうした種類株の存続を株主が判断するなどの条件を付けた上で、発行や上場を容認すると結論付けています。


信頼できる相談相手はいるか?〜 内部統制報告制度がいよいよ2008年4月からスタート!

本番間近の日本版SOX法――いま経営者に必要なものとは?


金融商品取引法(日本版SOX法)に基づく内部統制報告制度が2008年4月からスタート。

とはいえ、日本企業は文化的にも内部統制を意識してこなかっただけに、内部統制の整備にはどの企業も手間取っているというのが現状。
IT調査会社ITRとアイティメディアがITmedia エグゼクティブ コミュニティーに登録する上場企業の役職者に行った調査よると、懸念事項として「対策レベルの目安・判断が不明確である」と回答をする企業が43%を占め、「現在の統制状況に対する評価、判断が難しい」と答える企業も31.7%と上位。
多くの企業がいまだ手探りの中、内部統制プロジェクトを進めていることが分かります。

しかし、明確な基準を持たないままプロジェクトを進めても、内部統制は有効に機能しないばかりか、無駄ばかりが発生します。
通常業務と並行しながら対応を進めなければならない企業にとっては重荷になるばかり。
ここにきて対応の遅れが目立ち始めたといえるでしょう。

一方、不祥事による監査法人の解体もあり、もともと人手の足りない監査法人サイドも内部統制対応に手一杯の状態。いまだに体制や方針すらも定まっていないような企業は、監査法人から十分なコンサルティングを受けられない“監査難民”となってしまう可能性も指摘されています。

とるべき対策レベルとは!

大規模なコンプライアンス部門を持つ企業ならなんとかるかもしれませんが、そのような余裕のない企業はどうだでしょうか? 
この段階で、何も手を付けられていない企業は統制の仕組みを導入するにしても、間に合わないタイミングにきているようにも思えます。

日本版SOX法における内部統制の目的が、
「財務報告書の信頼性」
のみとはいえ、そのフレームワークに
「ITへの対応」
という項目が加えられている以上、有効な統制を行っていくには、法的義務とITセキュリティの両面でバランスのとれた対策が求められます。
とはいえ、経営者にとってITは分かりにくいばかりか、法律で求められている範囲との整合性も分かりにくいもの。

企業に内部統制を求める日本版SOX法や会社法への対応はITだけの問題ではなく、法律をどのように解釈して対応するかにあります。
そのためには、法律の専門家が必要。

内部統制は企業が備えているべき機能ではあるが、日本版SOX法などの法制度が明確となったいまでは、法律とIT双方の視点から現状を客観的に評価でき、具体的な対応を示してもらえるアドバイザーを身近に置いておくのが近道かも。

既に監査法人からのアドバイスを受けている企業も多いかもしれませんが、公認会計士は財務のプロではあっても法律やITのプロではありません。
そのため、彼らは問題を指摘しても具体的な対応策を示してくることは少ないでしょう。
不備を指摘されたものの「いったいどうしたらよいものか」と、右往左往するというのはよくあるケースでは。

新興企業の対応は大丈夫か?!

日本版SOX法のモデルとなった米SOX法では、大企業から適用を開始し、段階的にその対象を下へ広げていくスタイルを採用しましたが、日本版SOX法は企業の規模にかかわらず、上場企業に一斉に適応されます。
しかも、監査法人からの十分なコンサルティングを受けられない“監査難民”となるのは、このような十分な体制をとれない新興企業や中小規模企業だと言われています。

新興企業は株主から将来性を期待されているため、リスクよりも売上や利益を追求しがちで、内部統制の整備がどうしても遅れる傾向にあるのは否めない。
実際に、新興企業での日本版SOX法対応は遅れる傾向にあるよう。

評価だけで終わらない対策を

市場には、とかく内部統制を切り口に自社製品の売り込みにはしる各種コンサルティングが氾濫。
しかし、内部統制の整備はあくまでも目的ではなく、自社の事業戦略に基づいた手段であるべき。
いま求められているのは、ニュートラルな立場で、コストを掛けず、業務効率を下げずに内部統制を整備・運用していくエキスパートたちのサポート。
内部統制は1回何か対策を施せば、それで終わりというわけではありません。

関連リンク:日本ベリサイン


新会社法における株主会とは!

新会社法の株主総会について

株主を構成員として、それぞれの会社が決める経営ルールである「定款」の変更、取締役・監査役の選任、会社の解散・合併といた重要事項を多数決で決定する株式会社の最高意思決定機関です。

毎決算期に1回開催される定時株主総会と、必要に応じて開催される臨時株主総会の2つの開催形態があります。
総会での議案の一般的な決議の種類には通常決議特別決議があります。

通常(普通)決議は、株主総会の議長の選出、取締役や監査役の選任など定例的な議案に対応。
決議には総議決権の過半数に当たる株主が出席し、その議決権の過半数の賛成が必要です。

特別決議は合併や減資、定款変更など特別な経営の重要事項に対応し、決議には総議決権の過半数に当たる株主の出席と、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が条件になります。
M&Aでは、この特別決議の承認を得られる議決権の確保が重要となるわけです。

2007年5月には、海外企業グループの日本法人が親会社の株式を使って日本企業を買収できる三角合併」が解禁されたため、今年の株主総会では、買収防衛策など国際M&Aへの経営の対応が大きな焦点になる見込みです。

この三角合併に関しては、制度解禁に当たって海外企業や外資系投資ファンドの買収攻勢を懸念する日本経団連などが合併承認のハードルを特別決議から特殊決議に引き上げるように求めました。

特殊決議は、議決権を持つ株主総数の半数以上の出席だけでなく、議決権ベースでも総数の3分の2以上の賛成が議案承認の条件となるため、事実上、経営陣や経営陣を支持する主要株主の賛同を得られない敵対的買収の承認は不可能となります。  

しかし、国際M&Aへの過度の警戒感は、企業の自由な競争の阻害要因ともなりかねないため、最終的には三角合併の承認要件も特別決議となりました。  
ただ、注意が必要なのは、こうした決議条件も定款で(特別決議の可決条件は議決権の3分の1まで下げることも可能)変えることができる点です。
つまり、各種の重要事項のなかでも、定款はそれぞれの会社の憲法ともいえる特別の重みがあるわけです。

一方、会社法は、その定款によって経営の自由度、取締役の裁量権を広げる次のよう仕組みを新たに認めました。  

配当の取締役会授権  
総会の決定事項だった利益配当の決定権限を定款で取締役会に委ねることができます。
同時に、中間と期末の年2回としていた配当回数の制限が撤廃されました。  

取締役会の書面・ネット決議  
取締役会の決議には、これまでテレビ会議や電話会議など手段の違いはあっても、実際に会議を開くことが絶対条件でした。
しかし、あらかじめ定款に定めれば、書面やネット(電磁的方法)での取締役全員の同意があり、監査役の異議がなければ会議を開催しなくても取締役会決議が可能です。  

取締役の解任決議の条件変更  
任期途中の取締役の解任には従来は特別決議が必要でした。
しかし、会社法のもとでは通常決議でも可能となる一方、逆に定款で解任条件を重くすることができます。
敵対的買収への防衛策のひとつとして、取締役の解任条件の加重を活用することもできるわけです。  

ネットによる情報開示  
買収防衛や企業統合ど議決権行使に関連する株主総会の参考書類や事業報告(従来の営業報告書)の一部など、株主に書面で送付していた情報が、定款の変更でインターネットによる情報開示で代用できるようになりました。
これらの定款変更は株主の利益や利便性向上に役立つ一方、取締役権限の強化が株主権利の縮小につながる恐れもあります。

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